仕事・職場

ストレスチェック制度の義務化ですることは?(マニュアルの要約付)

2015年12月に施行されたストレスチェック制度

「ストレスチェック制度」をご存知でしょうか。
2015年12月に労働安全衛生法の改正に
ともなって厚生労働省が行なっている取り組みです。

職場で出ている「うつ病」や「自殺者」など
メンタルヘルス不調の人を減らして
健全な職場環境をつくるため
に、
まずは従業員のストレスチェックをして
職場の現状について知りましょう、
ストレスを抱える人が多い職場だと
わかったら改善しましょうというものです。

チェックは国が推奨する57項目の質問票
答えるのが一般的ですで、
結果は本人のみが知ることができます。
(会社は本人の同意がなければ見ることができません)

本人はストレスチェックの結果を見て、
日頃の生活習慣を見直したり、
場合によっては専門の医師に相談することができます

約60%の労働者がストレスチェック制度が義務化されていない状況

毎年1回のストレスチェックを受けることが義務化されているのは
従業員50人以上の事業所になります。

50人未満の事業所については努力義務となっています。

実際に統計を調べてみたところ、
日本の民間事業所で働く人の総数を100%とした場合、
約60%の従業員がストレスチェックを
義務化されていない状況
だということがわかります。
(総務省統計局、2014年(平成26年)経済センサス‐基礎調査
調査の結果「事業所の従業者規模別事業所数及び従業者数」より要約。
会社で働く人の数を100とした場合、
50人以上の会社で働く人の割合は40.2%、
50人未満の会社で働く人の割合は59.8%)

ですから、多くの中小企業の方が
ストレスチェック制度の存在を知らないということも
納得できますね。

実際、大手企業ではメンタルヘルス不調を防ぐための対策が
とられるようになってきています。

では、中小企業ので取り組むことは難しいのかというと
そうではありません。

例えば、オンライン上で簡易的なストレスチェックを
受けることも可能になっています。

Link: こころの耳 | 5分でできる職場のストレスチェック(厚生労働省)

実際にストレスチェックを受けると以下のようなことがわかります。

「ストレスの原因」「ストレスの表れ方」「周囲のサポート度合い」の3つの尺度で診断

ストレスチェックで分かるのは、
「ストレスの原因」「ストレスの表れ方」
「周囲のサポート度合い」
の3つの尺度です。

仕事の質や量が
心理的な負担になっているのか、
または職場の人間関係なのか、
働きがいなのかといったストレスの
原因がわかったり、

ストレスの現れ方が
イライラなのか不安なのか、または
身体の疲労感なのかがわかったり、

上司や友達や家族は
どのくらいサポーティブなのかが
わかったりします。

この3つの尺度から見て、
今ストレスを抱えている状況なのか
そうでないのかがわかる
ようになっています。

ストレスチェックのサンプル結果

ストレスチェックはオンライン上で簡単に受けることができます(画像は私が受けたサンプル結果)

ストレスチェックは、あくまでも自己申告制なので
本人の主観の結果で診断されます
から、
自分では問題ないと思っていても
実際にはストレスが強い可能性もありますが、

普段の自分を振り返る良いきっかけになりますので、
気になったらまずはチェックしてみましょう

ストレスチェック制度の実施マニュアル要約

ストレスチェック制度における
主な実施の流れはどうなっているのでしょうか。
そして、ストレスチェックを行って企業は
どのような対応を求められているのでしょうか。

ここではストレスチェック制度で定められている
実施マニュアルの内容を要約しました。

  • 【実施が義務付けられている対象企業】
    従業員50人以上を要する企業(パートさんや派遣さんも含まれます)、
    従業員50人以下の企業は努力義務とされ、
    国からの支援が受けられるようになっています。
    (産業保健総合支援センターによる産業保健サービスを無料提供、助成金制度)
  • 【実施者】
    事業場内に属する産業保健スタッフ(産業医、衛生管理者、外部委託期間など)
  • 【実施の趣旨・目的】
    労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止すること。
    チェックによってストレスに対する気づきを促すことで労働者のストレス低減させること。
    結果を集計・分析し職場環境の改善に役立て、ストレス要因の低減を図ること。
    ストレスの強い労働者を早期に発見し、医師への相談することにつなげること。
  • 【実施時期・回数】
    1年以内ごとに1回
  • 【実施の留意点】
    受検者のプライバシー保護、関係者の守秘義務、
    管理者・責任者・受検者に対する不利益な扱いをしない、
    医師に相談しやすい環境づくり
  • 【ストレスチェック制度の手順】
    ①衛生委員会等においてストレスチェック制度の実施方法等を規定として定める。
    ②産業保健スタッフによるストレスチェックの実施。
    ③通知結果はストレスチェックを実施した医師等を通じて直接本人に知らせる。
    ④高ストレス者から申出があった場合に医師による面接指導を実施する。
    ⑤医師から就業上の措置に関する意見を聴取し、必要な改善の措置を取る。
    ⑥ストレスチェックを職場ごとに集計・分析して、職場環境の改善措置を取る。

以上が、実施マニュアルの大まかな内容です。
さらに詳しい説明についてはマニュアルを参照するとわかるようになっています。
データの管理ツールといった便利なものや、
よくある質問に対する回答が乗せられたQ&Aもありますので、
参考資料としてご紹介します。

【参考資料】

メンタルヘルスケアは自己責任で対応が迫られる状況

ストレスチェック制度の実施によって
メンタルヘルスの取り組みも徐々に良くなってきたとはいえ、
メンタルヘルス不調の防止活動は万全とは言えません。

現状では基本的にストレスの対処は自分で何とかしなければならず、
まだまだ個人の対応力に委ねられている状況なので、
どうやってストレスと向き合って自分の心身のバランスを保つのかが大切
になってきます。

そこで、今回は自分自身でストレスに対応できるようにするために
お勧めする5つのポイントを紹介
します。

ストレスは強くなってから対応するのは大変なことです。
ですから、日頃からストレスを予防するための
取り組みをすることが最も効果的です。

ストレスのセルフケアでおすすめする5つのポイント

1.日頃から自分のストレスに気づく習慣を身につける①「呼吸を意識する」

ストレスは軽度なうちに気づくことができれば、
対応しやすくなります。

「いつもの自分とちょっと違うな」と思ったら、
身体のケアを見直したり、気になっていることについて
誰かに相談したりすることができるようになります。

まず自分でできる簡単なチェックの方法は、
呼吸に注目することです。

今、自分の呼吸に意識を向けてみたときに、
呼吸が浅ければ身体が緊張している証拠です。

そこで大きくひとつ深呼吸をしてみましょう。
すると肩や頭が緊張していたことに気づくと思います。

呼吸が浅くなったり、身体の緊張が生まれるのは
ストレスがかかっている証拠
なので、
日頃から少しずつ呼吸や身体の緊張に
意識を向ける習慣を身につけると良いです。

なぜ日頃から習慣することをお勧めしているかというと、

ストレスが強くなればなるほど、
自分の呼吸に気づくことができなくなるからです。

呼吸は心身の健康にとって大切なものです。
しかし、ストレスが強くなると深い呼吸をすることができなくなってしまい、
余計に心身の不調をきたす悪循環を生んでしまいます。

だから、呼吸に気づける心の余裕があるうちに
習慣化することをお勧めします。

 

2.日頃から自分のストレスに気づく習慣を身につける②「自分の考えに気づく」

呼吸や身体の緊張に気づくことができるようになったら、
今度は自分の思考に意識を向けてみます。

自分がストレスを感じたときに、
頭の中で何を考えているのか

出てくる言葉を紙に書き出してみてください。

「上司は私の話を聞いてくれない」などといった、
自分の思い通りにならない現実に対して
不満を感じているかもしれません。

あるいは、「私は彼の期待に応えなければならない」などと
自分を厳しく追い込んでいるかもしれません。

ストレスを引き起こす背後には、
自分が強く信じている考えがあり

その考えが現実とは相容れないときに
ストレスが起こるようになっています。

だから、日頃から自分の考えに気づくようにしていれば、
何がストレスを引き起こしているのかわかるようになります。

こちらも習慣化する理由は呼吸と同じようなものです。
ストレスが強くなればなるほど、
自分の考えを強く信じ込むようになって事実や現実が見れなくなってしまい、
柔軟な物の見方や考え方ができなくなってしまう
のです。

だから、少しずつでも自分の考えに気づくようになっていると、
事実や現実をよく見たときに、実は自分の勘違いだったとか、
思い込みだったと気づくことができるようになるのです。

 

3.日頃から心の余裕を育てる習慣を身につける

健康を維持するために、適度なストレッチや運動をするように、
メンタル面においても日頃から心の余裕を育てる習慣を
身につけることがストレスになりにくい、
もしくは早くストレスを解消できる自分をつくる
ことができます。

思考と心と身体はつながっていますから、
思考に取り組むために瞑想をしたり
自分の考えに問いかけをしてもいいですし、
自分の心がワクワクするような好きなことをするのもいいです。

ヨガや運動をして身体をケアすることできます。
何かしら自分の心の余裕を育てる取り組みをすることで、
ストレスになりにくい自分をつくることができるし、
ストレスになっても本来の自分に戻ってくることができるようになります。

気をつけるポイントとしては、
心の余裕を育てることはストレスの発散やガス抜きとは違います。

たばこ、お酒、甘い物、ギャンブル、家でダラダラすることなど
快楽に走ることは心の余裕を育てることにはなりません
ので、
むしろやらないようにします。

 

4.ストレスな人をサポートできるように日頃から心の余裕を育てる

これは回り回って自分のためだと思ってください。
ストレスが強くなってメンタルヘルス不調を起こした人は、
自力でストレスを解消することは難しくなります。

いざストレスが強くなってしまった時には、
なかなか眠れなくなってしまったり、
運動する気力も湧いてこなかったりして、
自分ではどうしようもなくなってしまうのです。

この場合は人の助けが必要な状態になるのですが、
ストレスな状態の人をサポートするのは普通は大変なことです。

実際に周りもどうしていいのかわからないため、
ストレスが酷くなり、うつ病になって休職してしまうケースってありますよね。

すると休職した人の穴を埋めるために
仕事の負担が増えてしまうという悪循環が起きてしまいます。

だから、日頃から自分の心の余裕を育てていれば、
ストレスな状態にある人をサポートできるようになる
ので、
うつ病や休職せずに済むかもしれません。

 

5.自分の気持ちや考えを外に表す(話す、書く)

ストレスが強くなると自分ひとりで対応するのが
難しくなってしまいます。
ひとりで抱え込まないで勇気を出して誰かに頼ってみましょう

自分の話を受け止めてくれる人は必ずいるはずです。
仲の良い友人とか信頼できる先輩などは、
あなたのことを心配して力になりたいと思っています。

「こんなこと言ったら迷惑じゃないだろうか」という考えは
一旦脇に置いてみましょう。

相手に相談するときに効果的な方法としては、
相談する前に相手に望むことを伝えることです。

ただ自分の話を否定せず聞いて気持ちを受け止めてほしいのか、
それとも話を聞いて感じたことやアドバイスをもらいたいのか、
話す前に相手に自分のニーズを伝える
ことができると
お互いの想いがズレてしまうことがありません。

もし、誰にも相談できない状況であれば、
自分の気持ちや考えを紙に書き出します。

ポイントは思いつくままに、
編集せずにひたすらペンを走らせること
です。

誰にも見せませんので文章力も必要ありません。
自分の考えや気持ちを書いているうちに、
だんだん落ち着きを感じることができるようになります。

それでもストレスが強くなるようであれば、
専門家へ相談する
ことをお勧めします。

いきなり薬を処方してもらうのではなく、
まずはカウンセリングをしてもらうようにします。

カウンセラー(もしくはカウンセリングマインドを持った人)は
話や悩みを聴くプロフェッショナルですので、
あなたの気持ちを心から受け止め、
あなたの考えを整理できるようサポートしてくれます。
ぜひ信頼できるカウンセラーを見つけて
話を聞いてもらうようにしましょう。

以上、ストレスチェック制度を通じて、
どのように日頃からセルフケアをしてくかについて紹介しました。
役に立つ内容があったら幸いです。

ストレスの予防、メンタルヘルス対策は、
リスクヘッジの意味合いで考えられることが多いです。

しかし、ストレスの少ない働き方や職場であるということは、
仕事のパフォーマンスや生産性を高めることができるという
ポジティブな効果を産むことができます。

この機会を通じて、日頃の自分を振り返りストレスから
自由になるようにしていきましょう。

他の記事では、ストレスへに取り組みたい方に向けた
詳しい話や実際の取り組み例についてもご紹介していますので、
そちらも参考にしてください。

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