知識・知恵

ビリーフとは?意味とストレスな考えを生むメカニズムを解説


「ストレスを感じていて困っている」、
「ストレスを発散しても、またストレスがやってくる」、
「根本的にストレスを解消するためにはどうしたらいいのか」。

紹介されているような様々な解消方法を実践するだけでは、
ストレスが根本的に解消しなくて困っている人には、
ビリーフに取り組むことをお勧めしています。

今回は、そのビリーフについて少し話を掘り下げていきます。
ビリーフについて理解することで、なぜストレスを感じるのか、
なぜストレスがなくらないのかがわかるかもしれません。

ビリーフとは

ビリーフ(belief)という言葉は、心理学、カウンセリング、
コーチング、NLPなどでよく聞かれるようになっていますし、
最近ではビジネス(仕事、職場)の場でも話題になるようになっています。

beliefの英語の意味としては、
believe(信じる、たしかに~だと思う)の
名詞(信じること、信念、確信、信条、信仰)を表していますが、
主に心の領域を扱う分野では、
「価値観、思い込み、固定観念、先入観」といった意味で使われています。

他には、「(潜在的、無意識的に)正しいと信じている考え」
「人生を制限(リミッティング)するような信念」
といった説明がなされています。

ビリーフは、「頭の中に浮かんでくる考えを信じること」です。

私たちは、自分の中から沸き起こる考えを
単なる考えであると気づかないまま、
それが本当であると信じています。

浮かんでくる考えは、過去や未来についてのことだったり、
物事の判断基準(好き・嫌い、正しい・間違ってるなど)だったり、
それらの理由についてだったり、実に様々です。

私たちは、わき起こった考えに意味づけをして、
それが本当であると信じているのです。

様々なビリーフの具体例

ビリーフは、実に色々なところに散りばめられていてます。
例えば、下記のような悩み話を例にあげて、
どんなビリーフが含まれているかを紹介していきます。

【◉苦手な上司を持つ部下の例】
「私は上司のことが苦手なんです。
なぜなら、彼はあまり私と仲良くしようという気持ちを
持っていないからです。
毎朝、会った時も挨拶もまともにしてくれないし、
声をかけても無視するからです。
社会人なんだからちゃんと自覚を持って
挨拶くらいはするべきですよね。
それに、私の提案にはいつも批判的なことしか言わないし、
私がちょっとミスしただけでも厳しく指導されるんです。
自分勝手というか、苦手だなと思います。」

【◉怒りっぽい妻を持つ夫の例】
「うちの妻は本当に怒りっぽくて困っています。
私が毎日残業で疲れていて、休日くらいは休ませてほしいのに、
『近所の奥さんが冷蔵庫を買ったらしい』とか、
『あそこのお店のランチが評判いいらしい』などと
無駄な話ばかり私に聞かせようとしてくるんです。
『疲れてるから後にしてくれない?』って言っただけなのに、
いきなり怒り出してしまって。
大人なんだからもっと相手(私)のことも考えてほしいです。」

今の話の中には、たくさんビリーフのパターンが含まれていて、
よくあるのは例えば以下のようなものです。

事実についてのビリーフ

  • 「彼(彼女)は、私に○○した。」
    例:彼は私を無視した。
  • 「彼(彼女)は、私に○○しない。(○○しなかった。)」
    例:彼女は私を大切にしていない。

要求についてのビリーフ

  • 「彼(彼女)に○○してほしい。」
    例:彼に謙虚になってほしい。
  • 「彼(彼女)に○○してほしくない。」
    例:彼女に怒るのをやめてほしい。

アドバイスや規律についてのビリーフ

  • 「彼(彼女)は、○○すべきだ。」
    例:彼はちゃんとあいさつするべきだ。
  • 「彼(彼女)は、○○すべきでない。」
    例:彼女はもっと大人になるべきだ。

安心や幸せについてのビリーフ

  • 「彼(彼女)に、○○してもらう必要がある。」
    例:彼に社会人としての自覚を持ってもらう必要がある。
    例:彼女に放っておいてもらう必要がある。

性格や人柄についてのビリーフ

  • 「彼(彼女)は、○○だ。」
    例:彼は自分勝手だ。
  • 「彼(彼女)は、○○ない。」
    例:彼女は思いやりがない。

参考:The work.com

そしてビリーフのパターンは、
主に下記のような様々なテーマでもわき起こってきます。

対人関係

対人関係のストレスは、とても大きなテーマです。
ストレスの9割が人間関係によって
引き起こされると紹介されている場合もあります。

親や子どもとの関係、上司や部下の関係、
恋人やパートナー、友人や近所の人とのづきあいなど、
日常生活のあらゆる所で対人関係のストレスは起こっています。

言うことを聞いてくれない子どもや
話を聞いてくれない上司、
大切にしてくれないパートナーや
いろんな愚痴を言ってくる近所の人など、
ストレスの種はたくさんあります。

身体

私たちは生まれてから死ぬまで自分の身体と付き合っていきます。
その間には、病気、けがなど様々な痛みを味わいます。

また、自分の外見や容姿が気になって、
人に好かれないことに落ち込んだりします。

たばこ、お酒、ジャンクフード、甘いもの、ギャンブル、セックスなどで
一時的な快楽を味わう一方で、止めたくても止められない衝動に苦しみます。

老いや死に対する恐れを感じ、将来についての不安を感じます。

お金

お金は、私たちの生活や人生を支えてくれる重要なものです。

お金で経済がなりたっている現代社会においては、
食べ物を得るにも住む場所を得るにも
お金が必要になっています。

お金がなくなることへの不安、税金の重荷、
お金がないことによる不幸せを感じたくないために、
できるだけのお金を得ようと働いたり
投資に対するリターンを求めます。

仕事・キャリア

私たちにとって働くことは、日々の生活を守るのはもちろんのこと、
自分の生きがいや自己重要感とも関係しています。

どんな仕事をするか、どんなキャリアを築くかは、
自己実現のために必要な要素です。

逆に、それを阻害されること、邪魔する人の存在は、
自分の描く理想のキャリアを妨害するストレスとなります。

自分自身

私たちは幸せな人生を送りたいと願っていますし、
そうなるべきだと心の底では思っています。

しかし、自分が思うような人生を歩めていなければ、
自分には価値がないと思ったり、
自分はこんなものではないと、
自分に対して厳しい言葉を投げつけるのです。

こうしてみると、本当に様々なビリーフが
世の中に溢れていることがわかります。

ビリーフは自分を守るために必要だった

ビリーフはどのようにして生まれ、形を作っていくのでしょうか。

発達心理学や社会学的な解説などいくつかありますが、
基本的には生まれて成長していく中で、
自分の認識の発達と共に両親や社会の影響を受けて作られていきます。

例えば、子どものときは親の支えがなければ生きていけません。
だから親からサポート得るために、
「親の言うことを聞かなければならない。」と考えたかもしれませんし、
「もっと甘えさせてほしい」と考えたかもしれません。
(実際にこういう言葉が頭にあるわけではありません)

私たちは、そうやって子どもの時代から
様々な出来事や体験を通じて、自分の生き方や考え方を作っていきます。
それは自分が守るために必要なことだったのです。

根深いビリーフは生き方の指針になる

ビリーフの中には、長い間信じ込んでいる、
自分の生き方を大きく左右するような考えが隠れています。

例えば、「人生はそんな甘いものではない。」とか
「お金がなくなったら生きていけない。」などのような考えは、
それはあまりに当たり前のように信じているため、
普段あらためて意識するようなことではないかもしれません。

つらい体験や悲しい出来事があったときに、
もう味わいたくない思いから自分を規制するようなものもあれば、
成功体験や幸せな出来事をもう一度味わいたい、
人生はこうあるべきと思って同じような行動をするものそうです。

例えば、親から怒られることがつらくて
必死に親の期待に応えようとしてきた人が、
大人になっても「人から怒られないようにしなければならない。」と
人の顔色を伺うようになってしまうとか。

子どもの時に良い子でいると親から優しくされた体験から、
大人になっても人の関心を引くために
自分のニーズよりも相手のニーズを優先させたり、
テストで良い点を取ると褒められることで
親からの愛情を感じた体験から、
人より優れた何かを達成することや勝ち負けに執着してしまったり。

しかし、子どもの時には自分を守るために必要だった考えが、
必ずしも大人になって通用するとは限りません。

私たちの多くは、その考えを信じ続けているために
自分の自由や可能性を自分で制限して、
ストレスのない柔軟な生き方を奪ってしまっているのです。
考えを信じるというのは、それほどパワフルなものです。

その考えを信じると苦しむ、信じないと苦しまない

ストレスが起きるときの仕組みはどうなっているかというと、
起きた現実と自分が持っているビリーフが
相容れないときにストレスは起こります。

「現実が自分の思う通りになっていない」
「こんな現実は受け入れたくない」と
現実に対して違をとなえている状態がストレスです。

上司があいさつをしていないのに、
「彼はあいさつをするべきだ」という
考えを信じているとストレスになります。

「彼女は私を大切にしていない」という考えを信じていると、
彼女についてのネガティブな証拠ばかりが目についてストレスになります。

自分の考えが正しいと信じているときもそうですね。
間違ったことをしている人を見るとイライラしたり
怒りがわいてくるからです。

そして、場合によっては相手の間違いを正そうと行動します。
ビリーフは感情を刺激し、感情は行動(反応)につながります。
そして、ストレスなコミュニケーションやトラブルが起きるのです。

ビリーフを知る上で大切なのは、
信じると苦しむし、信じないと苦しまないということです。

浮かんでくる考えそのものに害悪はありません。
浮かんだ考えを信じて苦しむか、信じないと苦しまないかの違いです。

考えないようにすることはできません。
考えは自然とわきあがってくる雲のようなものです。
自分の意思とは関係なく動く心臓や呼吸のようなものです。

だから、考えを無理に無くそうとするのではなく、
理解することをお勧めします。

ビリーフに気づき、理解がちゃんと深まっていくと、
ストレスな考えから解放されるようになってくるし、
あるがままの現実が見えてクリアな生き方ができるようになります。

そういう意味では、ビリーフはストレスから自由になるための
アラーム(目覚まし時計)のような役割をしてくれているとも言えます。

以上で、今回はビリーフについて少し詳しく説明していきました。
ストレスとビリーフはとても関係が深いものですので、
ストレスから自由になるためには、ビリーフに取り組むことをお勧めします。

取り組む方法や具体例については、
別の記事で紹介しますので、そちらも是非参考にしてください。

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